「公益」資本主義

2021年に誕生した岸田政権の謳っている「新しい資本主義」の根拠となっている本があると聞いて手に取ってみました。

2022年の2月の時点で、岸田政権の掲げる「新しい資本主義」の中身が一体何なのかわからないままとなっていますが、配当金への増税から始まり、自社株買いへの規制などなど。

行き過ぎた資本主義の弊害として、利益が株主に流れ、労働者への賃上げにつながらないという趣旨のように思えています。

そこで、本書を手に取ってみると、岸田政権が何を問題としているのか、について少しわかった気がします。

本書では行き過ぎた株価重視の風潮により、様々な問題点が生まれている。

  • 利益重視による短期投資への流れ
  • 粉飾決裁 などなど。ほかにも挙げられています。株主重視による弊害=要するにマネーゲームはよくないよね、ということになると思います。

ただ、投資と投機の違いで考えたときに、この方の問題点はすべて「投機」による問題点であり、「投資」に対しての問題点ではないのではと思います。

そして、とにもかくにも気になる点ははじめの章で書かれている、

  • 「会社はだれのもの」に対して、社会の公器としている点

いろいろとツッコミどころのある本だと私は思いましたが、とにもかくにもこの前提になっているからそこ、この考え方が出ているのではと感じました。逆に言えばこの考えを推し進めるために物事を見ているという風に見えます。

会社を公器とするなら国営にするべきです。資本家から資本を集めて運営される組織ならそれは資本家のものです。

仮に資本家から資本を集め、会社を運営してでた利益は公益とするなら、資本家は寄付をしているわけではないので資本を出すことはないです。

もちろん一人が自分の利益最優先で行動していては社会は成り立ちません。一人がみんなのために、みんながみんなのためには大切だと思います。ただし、それが一人の利益を犠牲にすることになれば、それは共産主義になっていくのではないかと思います。