No.0388>オジいサン

京極夏彦待望の新刊とくればいったい何のネタが気になるところ。シリーズものも気になりますが、それ以外の作品も毎回楽しみです。常にこのクオリティを維持しているところは常人でないことを示していますよね。

で、今回の主人公は老人---ただし、自覚はしているようでしていないような人間だ。子供もいなければ当然孫もいない。そういう人間はいったいいつからおじいちゃんと呼ばれるようになるのだろうか。確かに問われても答えられない。中々に難しい問題なのかもしれない。

明確な線引がないのならば、それは本人が老人だと思ったときなのだろうか。ではずっと老人という自覚をしなければそれは老人にはならないのだろうか。早く老人だと認識をしてしまえば老人になるのだろうか。

ちなみに本小説では、とりとめもない日常生活の中でのささやかな悩みをここまで丁寧に書かなくてもよいのではと突っ込みを入れたくなるくらい詳細に描かれています。何が作者をここまで動かしたのでしょう。やっぱり作者の性格のせいか?

オジいサン

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